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ループス岡村健右氏が語る 人を動かすゲーミフィケーションの基本

ループスでの成功 リアルとソーシャルの連動

花崎 今は売り込み的な営業活動を一切しなくても、お問い合わせが来るような状況なんですよね。
短期間で素晴らしいですね。当然ソーシャルメディアのフォローの風というのはあったでしょうけど、とにかくアプローチがユニーク!ゲーミフィケーションに関するブログも、斉藤さんとほぼ同時期に始められたんですか?

岡村 3か月くらい後からですね。最初はいろんな情報出すことにすごく抵抗がありました。
「競合に情報流れちゃうじゃないですか」という意見があったりしました。あと「ブログを書く時間がないですよ」みたいな話もあったんですけど、「とにかくやろう」ということで継続して書いていました。
当初週1回は書こうという話だったんですけど、結局月1回程度しか書けなかったですね。

花崎 私もウチでやってるフェイスブックのキュレーション投稿くらいなら毎日少しずつできるんだけど、ブログってもう少し継続するのにハードルが高いなーというところは感じていて。当時モチベーションを維持するために何かこう工夫とかされていましたか?

岡村 最初はすごく辛いながらもがんばって書いていました。それから徐々に見られるようになり、リツイートされる割合が増えてきました。それから講演依頼も来るようになったのです。ミクシィさんがプラットフォームを立ち上げられる前に、ゲーム系のセミナーが開かれていたのですが、そういうところに呼ばれる機会も増えました。情報を出せば、次第に名前も売れてきたという感じです。

花崎 なるほどね。当然デジタル上で拡散していくんだけど、やっぱりリアルなイベントなんかも含めて、岡村さんを皆さんが知って、そこからブログにやって来てというリアルとネットのいい循環ができたんですかね。

岡村 ソーシャル単独ってなかなか難しいと思うんです。リアルとうまく組み合わせることで、先ほどのコミュニティの活性化というところにつながるんですよね。リアルで仲良くなっていくと、その人がインフルエンサーというか、エバンジェリストになっていただけるというところがあると思います。

花崎 私も、もともとソーシャルメディア大学で岡村さんの話をリアルでお聞きして、それがご縁で今回のセミナー、インタビューにつながっていった。そういうのってやっぱりパワフルですよね。
実はあの週、セールスフォースのCloudForceも見てたんですよ。その時も組織内にどうゲームを活かしていくかみたいな話をされていて。週2回も岡村さんの話を聞いたんですね。

株式会社大和広告 代表取締役 花崎 章岡村 私の話しを2回もですか。たしかに珍しいですね(笑)。
あの当時はまだゲーミフィケーションもそんなに認知度は高くありませんでしたからね。

花崎 刊行ラッシュがありましたよね。書籍のね。むちゃくちゃ出てきて。

岡村 NHKのクローズアップ現代でも採り上げられたりしましたね。

花崎 そうですよね。そういう意味では「旬」と言うと語弊があるかもしれないですけど、今注目を集めているコンセプトですよね。

岡村 そうですね。旬のところもありますし、対象としてどういう会社さんでも適用できそうなイメージがわくところがポイントだと思います。結構ソーシャルって、企業ごとに向く向かないがあると思っています。単にフェイスブックとかツイッターでアカウント開設しましたってだけではなかなか成功しない。おそらく我々もそうで、たとえばブログをせずにフェイスブックとかツイッターだけで情報発信しても、今のようなブランディングってできなかったと思うんですよね。ブログがあってそれを拡散する装置としてソーシャル使っていただけなので。そういうところを意識して、キラーコンテンツを用意できる会社でないと難しい。もちろん大手は別ですよね。ローソンさんとかユニクロさんとか、結構すでにファンがいらっしゃるところは、ブランド自体がキラーコンテンツになるので、ファンになったり、新商品アップしたり、勝手にコミュニケーションしてくれる。

花崎 そうですよね。単にページを開設するだけでなく、コンテンツが伴わないといけませんね。
ところで岡村さん、ゲーミフィケーションっていう言葉は聞いたことあるし、なんとなく言ってることはわかってるんだけど、正確にそれをとらえきれてない方も現時点ではまだまだいらっしゃると思うんです。そこであらためて簡単に「ゲーミフィケーションとは」ってところについて、ご説明いただけませんか?昨日お聞きしたあとで恐縮なんですけども(笑)。

岡村 また同じ内容になっちゃうかもしれないですけど(笑)。ゲーミフィケーションって実は本質的には昔からあったものなんです。例えば居酒屋のハッピーアワー。17時~19時はビール半額にしますよというのもゲーミフィケーションなんですよね。その時間帯ならば行きたくなる、その時間だったら得だから行こうという風に人を動かす。昔からゲーム、ファミコンなどはそうですよね。マリオとかドラゴンクエストといったゲームって、ユーザーを動かす要素をうまく含めていたと思います。
例えばスーパーマリオの1面がすごくわかりやすい。まず説明書見なくても誰でもできる。トコトコ歩いて行くとジャンプできるし、箱みたいなのをたたくとコインが出てくる。キノコを食べると大きくなる。1面でそんなすべての要素を表示させている。そうすると簡単にゲームを続けていくことができる、という仕組みです。そんなゲームの要素をリアルの場やネット上でも適用できないのか、というところがゲーミフィケーションになります。