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ダイレクトマーケティングとモチベーションアップの関連性
花崎 今日はよろしくお願いいたします。今回は、人に対する動機づけ、他者にモチベーションを高めてもらうというところについてお話をお聞かせいただければと思って、各企業のリーダーの方々にお集まりいただきました。みなさん、お忙しい中ありがとうございます。まずはウチの「ダイレクトマーケティングブートキャンプ」というプログラムがあります。これは「自社の製品やサービスを購買するプロセスにおいて顧客に特定の行動をとってもらうための動機づけをどうやって促進させるか?」についての実践的な学びを深めていただくためのものです。今回は実際このセミナー&ワークショップに部下の方とご参加いただいた方、会社としてご参加いただいた方、そして今回はご参加されていない方にもお集まりいただいています。そんなわけで販売促進におけるターゲットオーディエンスへの動機づけだけでなく、部下のモチベーションアップに関するお話も聞かせていただければと思います。
まずはブートキャンプへご参加いただいた方に「なぜブートキャンプへお申込みいただいたのか?」お話いただいたてもよろしいでしょうか。
勝岡 ウチは、前回のインタビューでもお話させていただいたんですけど、私と一名の部下で田中みのるさんのセミナーを初めて受けてみて、内容もよかったし、先生自身のキャラクターが好きになったので、二回目もやって欲しいなって思っていたんですよ。そんな時に、もう一度無料のセミナーがあるということで、部下の営業スタッフと店舗スタッフ、そして企画スタッフをセミナーに参加させてみたところ、みんな「よかった」と言っていたんです。我々はメーカーなんで、いわゆるダイレクトマーケティング的なところは、これまでそんなに考えずにやっていました。広告といえば、商品スペックをバーンと出して「こんな色ですよ」みたいなものだったんですけど、ちゃんとしたものを作らないといけないなと考えるようになってきていて。大和広告さんに「ぜひ次もやってください、僕らは有料でもいいんで」といったところ、ブートキャンプがあるということを聞いたんですね。一社でコンサルをしてもらうとコスト的にも当然高いものになる。今回は何社かの企業でコストをシェアできることもあり、お声がけいただいたときは即決に近かったですね。
花崎 ありがとうございます。あの田中先生のどこに魅力を感じられたんですか?すごいんですよ、田中先生。ウチもいろんな講師に来ていただいていますけど、セミナー満足度がこれまでで一番高いんです。5段階評価で感想をいただくんですけど、一番高い。そこは一体なんなのかというところが知りたいですね。
勝岡 何なんでしょうね。僕はモチベーションというところで言えば、今までのやり方とは違った販促物を作らなければいけないなっていうところで、自分自身のモチベーションが上がったところですかね。他のセミナーだったらノウハウ的なところだけになるんですけど、それとは違いましたね。
花崎 ノウハウ+モチベーションアップみたいな?
勝岡 なんかハートに火がついたっていうか(笑)。
花崎 田中先生は、日本郵便でモチベーションアップの研修もされていたんですよね。なので、セミナーにそういったエッセンスが盛り込まれているんだと思います。社内スタッフの動機づけをするプロフェッショナルである一方で、販促物の反応率を上げるといったターゲットオーディエンスに行動を起こしてもらう意味での動機づけのプロでもある、といった感じがしますよね。秋山部長はいかがでしょうか?
秋山 ウチは、MIYUKIさんとは違って、最初は参加しないつもりだったんですけど、部下の井上が田中先生のセミナーに参加して、ものすごく響いて「絶対参加したほうがいいですよ!」って言ってきたんですよ。で、それでも金額的に正直しんどいなっていう思いがあったんですけど、「絶対損はしません」と言ってきたんです。あとは、お恥ずかしい話、花崎社長の押しが…。
花崎 あっ、押しましたっけ?(笑)
秋山 思いっきり押されましたね(笑)。でも、そこまで社長自ら動いて、情熱的に言ってくれるというのは、よほどだなと思いました。実は当社の場合、メーカー側からくる広告の原案がある一方、ウチ独自にも作っていてはいたんですけど、どうも結果があまりでないなぁと。何かこうヒントが得られないかなって、そういった想いも実はあったんです。で、よしやろうということになって、参加させてもらったんですよね。田中先生の個性っていうのは、すごいですね。私は、三回目から参加させてもらったんですが。
花崎 ああ、三回目からでしたか。
秋山 ええ、一回目、二回目は出られなくて、失敗したなと三回目に参加して思いまして。やっぱり、どう人を惹きつけるのかっていう、ただ単に広告を出すだけでなく、その先に何があるのかっていうことをちゃんと見据えた中での説明。それは非常に響きました。その後、社内でもターゲットを絞って、ちゃんと着地点を準備した上での会議につながっています。結果が出ていますね。
花崎 いいですね。
秋山 この前のインタビューの時にもお話ししましたが、ウチが作ったチラシで、車が一台決まりましたので、結果が出たなぁと。
花崎 そうですね。実際、ターゲットを絞るといっても一般的には広げてしまいがちですよね。「あの層も買ってもくれるかもしれないしこの層も買ってくれるかもしれない」といった具合に。
秋山 それをあえてしかも思いきって絞るっていうのは今までなかった考え方なんで。
花崎 原田室長は、御社がこのブートキャンプに参加しようとなった経緯はご存知ですか?
原田 当社も最初はセミナーに何度か参加させていただいて、その流れで、最初は御社の営業の方からご紹介を受けたんですね。で、「必要であれば行かせろ」と社長から下りてきまして、行った人間に話を聞いてみると「ぜひ行きたい」と。ただコストの問題があり、払うだけの価値があるのかっていう中で、「どうしてもこれは行ってみたい」という想いと「会社にとって絶対に役に立ちます」とウチの広告担当の女性が言うわけですよ。それで、そこまで言うのであればということで。
花崎 ありがとうございます。
原田 成果という意味では、まだまだこれからというところもあるんですが、たとえばPOPなんかでも、彼らがセミナーを受けて作ったPOPとどう違うかという説明を聞いて、なるほどと思いました。実際それで作ったイベント、今までだったらそんなにお客さんが入っていないようなイベントなんですけど、その日は結構チケットが売れたんですよね。
花崎 実際我々も広告会社ですから、そういったものを代行して制作するというのは当然あります。もちろんそれはビジネスとしてあるんですけど、やっぱり制作するハードルっていうのはどんどん下がっていて、DTPのオペレーションスキルがあれば、基本的には社内でも何とかできそうな環境が整いつつあります。そんな中で、我々自身も提供するサービス自体を変えなければならないという思いが当然出てきていて、そういう意味では情報提供を通じてスキルアップの支援をしていくような領域は、今後もっとやっていかないといけないところなんだろうなって。そのためには我々も学び続けなければなければならないんですね。いろいろとまた、ご要望やご意見などをいただいてサービスの中身を考えたいなって思っています。何らかの形でビジネスを成立させなければならないんですが、やっぱり今まで通りのビジネスではなかなか広告ビジネスは難しい。今「広告会社のここが嫌」というのがあれば教えていただけないでしょうか(笑)。
一同 (笑)
花崎 あるでしょ(笑)。広告を売ろうとしているところが、なんとなく広告主側からすればうざったい、みたいな。成果を上げるためにどう貢献できるのか、そこにフォーカスするしかないような気がしますよね。
高橋さんはどうですか?ブートキャンプにはご参加されてないですけど、B2Bなので、プロモーションといっても営業ルートで拡販していくケースが多いかと思うんですけど、今課題に思われていることはありますか?
高橋 営業していて何も持たずにお客さんのところに行っても話もできない。田中先生がカレンダーを作って用もないのに置いていったという話があったじゃないですか。他の会社なんですけど、新入社員が自分の自己紹介とか少し商品の紹介をいれたものを持って行くという話。そういう工夫が必要ではないかなって思いながら、まだできていない状況です。
花崎 高橋さん確かボート関係の公職をされていますよね。
高橋 趣味がボートなんですけど、いろいろご縁があってその趣味のボートが仕事になったんですね。もともと僕はSEだったんですけど、十五年前くらいに営業に変わって、営業だけではおもしろくない。何か自分で作りたいなって思っていた時に、Windows3.1といった自分でもできる開発環境が出てきた。そこでAccessを使って趣味のボートの記録システムを作ったんです。1994年に広島で行われたアジア大会のボート競技が福山の芦田川で開催され、記録システムの一部を作って、その二年後に開催されたひろしま国体の時に記録システム全体を作りました。それがきっかけで、大阪国体であったり次の国体とかに使ってもらい、それが縁で日本ボート協会の役員になりました。
花崎 B2Bでもそういう意味では、当然お客様への接触にはいろいろと準備が必要ですよね。例えば、セールスシート、我々もB2Bですから同じなんですけども。
高橋 たとえばFacebook。Facebookでも友達になっているお客様には結構信頼していただける感じがしますね。お客さんを訪ねても、「この間○○したんだね」といった感じで話かけられたりしますよね。
花崎 「相手の警戒心を解く」って大事ですよね。
高橋 そうですね。いかに相手に何回も会って、安心してお話していただけるような状態に持って行くのか、それがFacebookを通じてある程度はできているのかなあと思います。
花崎 結局相手は人間なので、どうやって納得して購入してもらえるかがポイントということを考えれば、基本的に深い人間理解みたいな、根っこでつながっているようなことが大切だと感じます。広告ってプッシュ型で売り込むもので、ソーシャルメディアはちょっと違うって言われるんですけど、基本的には原理は一緒。お作法は違いますけど。そういった気がするんですよね。