新しい時代に合った成果のある方法 グループコンサルという形
花崎 なるほどね。我々が学んでお客様にそうした新しいやり方なり、より新しい時代に合った成果のある方法というものをご提供するということは、もちろん大事なことではありながら、お客様自身にもそうした新しい状況に触れていただくことも必要だし、お客さんもそうしたいでしょうからね。そんな背景があって、今度それこそグループコンサルのプロジェクトを田中さんとやりたいなと思ったんです。
田中 あれについては設計の段階からスタッフ全員に入ってやってほしいんですよ。全員一致で進行することで、自分達もこのプランに関わっているんだと、このプランは自分達で作ったんだという気持ちを持ってもらうところがすごく大事で。
花崎 コミットしてもらってね。
田中 その中ではもちろん僕がその場を仕切るというか、プレゼンテーター的な立ち位置なんですけど、僕もツールと見てほしいんですよね。田中みのるというツールを使って集まった参加者にスタッフ自身が問題提起をしていくような立ち位置を持つみたいなね。その時に必要なのは、スタッフ全員が「ここについてはプロなんだ」という部分。
花崎 やっぱり一人ひとりが高度に専門性を持っていくということは大事な時代だなっていうのは思いますよね。そして田中さんがおっしゃっていることはその中でもベースになるところだとも。例えばウェブに強いといったような、チャネルごとの切り分けということではなく、その根底にはあまねくものに役立つ知見、知識があると思うんです。
ウチをご用命していただければそれはそれでありがたいことですけど、そうじゃなくても「こういうことをまず知りたいんだ」とか、「自力で活用したいんだ」という方がいれば、僕はどんどん参加してもらったらいいと個人的には思っています。
さっき場数っていうお話があったと思うんですけど、そういう人達の取り組みを聞くことは、私達にとって一つの場数になるのかもしれない。より多くの人と対話できるメリットというか、いろいろなケースにぶち当たることによって我々自身もそこから学んでいくことができるというのが、すごく私達にとってもエキサイティングな取り組みになってくるのかなあと思うんでね。ぜひ本当に引き続きご指導お願いしたいと。
田中 先ほど花﨑社長はご用命いただかなくてもいいとおっしゃいましたけど、ご用命いただかなきゃいけないと僕は思ってます。そこは割と明快なんですよ。それが僕の役割だと思っていますね。
花崎 今回のグループコンサルのお客さんにとってのメリットの一つは、まずコストですよね。それこそ田中さんに自社単独で来てもらおうとすると、月一回で月間何十万、年間何百万というお金がとんでいく。それができる企業は当然あると思うんですけど、できない企業も沢山ある。
そういう方々にとってみれば、費用負担を各社でシェアすることによって田中さんの知見が吸収できる機会を得ることができます。第二のメリットは、継続的にリアルな課題を相談する場を得ることができるというメリット。
そして、もう一つのメリットは、「他社から学べる」「マーケター人脈が形成できる」という点。参加者に多様性が出るところに価値があると思います。例えば小売業界の方であれば、チェーンストアの中でこういう手法が今流行っているといった業界内のトレンドはわかるけど、環境としてタコツボ化してイノベーティブなアイデアにつながりにくい。
それこそ時代が変わってきていて、イノベーティブなアイデアを必要としたり、やり方を変えなきゃいけない局面においては、むしろ全く畑違いの、でもマーケティングに携わっている人達と一緒に何か考えたり、対話を積み重ねることによって、ヒントが得られやすいということっていうのは事実としてあるんです。
これをメディチインパクト、メディチエフェクトって言うんです。
ルネサンスの時代はビジネスパーソンから芸術家までいろんな領域の専門家が集い、対話をする場があって、その環境が進歩発展に寄与したしたと言われています。まさに多様性の中の混沌からイノベーションが生まれると。「なんかこいつが言ってることズレてるんじゃないか」とか「この人業界のことわかってないから」と一見思うような人達と対話することが、実は革新的な着想が得られる環境だということなんです。そういう意味でグループコンサルという形態自体がすごくいいんじゃないかなと思ってます。
ここで、突然のオファーです。じつはグループコンサルにソーシャルを連携させたいんですよ。ウチ結構今ソーシャルに力入れてまして。
田中 よーく知ってます。
花崎 ありがとうございます。ソーシャルってそれこそ継続的に、頻繁かつライトウェイトな交流がしやすいメディアだと思うんですよね。
さっきの「忘れられちゃう」とかっていう世界からいうと、ブランドが顧客と接触するすごくいいポイントだと思うんですけど。一方で「学び」という点において言えば、1ヶ月目の一日講習が終わって「じゃあ来月ね」といったときに、その瞬間からいったん学びがちょっと消えてしまって、また日常業務に忙殺されて、また開始一週間前ぐらいから気になり始めてってみたいなことは、私も実際あったりしたんですけど、そこをメンバー同士で対話できるようなクローズドなコミュニティをつくって、継続的な情報発信をしていくと。それを大和広告サイドでファシると。
そこでお忙しいと思うんですが、たまにちょこちょこっと参加していただいて、ポイントを伝授していただいたりすると、多分参加者の方もモチベーション維持向上できると思うし、すごくいいなあと思って。ウチにとってもこれは一つのチャレンジで、今フェイスブックということでグループひとつ持っているんですけど、ダイレクトマーケティングでも分科会的に興味があるメンバーが集まって、そこでいろんな意見交換、情報交換が継続的にできる場を作っていけば、それがどう学びに作用していくのかを検証できる。
そういったことっていうのは我々にとってもチャレンジだし、もしかしたら田中先生にもそこからの気付きはあると思うし。そういう意味でもぜひやってみたいと。
田中 すごくいいと思います。僕にとってもいいですし、クローズっていうのがいいですね。
そこで何か本当に生まれそうですし。一番その中で楽しみにしているのは、私もグループコンサルしてこっちからもアドバイスするんですけど、そこに大和さんが介在することで新しい価値が生まれたり、軽い企業コラボを超えた、何か新しいものが生まれないかな、と思っているんですね。
花崎 クローズドで受講者同士の濃密なコミュニティを作って行ければなあと思っていますので、よろしくお願いします。
もう一つ、さっき相手を理解するための言葉がけみたいな話があったと思うんですけど、ずいぶん前に大阪でもお話させていただいた、LABプロファイルっていう手法があるんです。「ラブ」っていうのは愛ではなくて、Language and Behavior。言語と行動ですね。どういう言葉でこの人は動機づけられるか、あるいは、どういう行動をとりやすいのかということをまずは判断できる力を持って、その上で、どういう言葉がけをすれば、意図する行動をとっていただきやすいかみたいなことを研究する領域なんです。そこのコンサルタントトレーナーって世界中に百何十人か何百人かくらいしかいないらしいんですけど、それに私なっちゃったんです。
田中 すごいじゃないですか。
花崎 なぜこれをやっているかというと、このスキル、マーケティング領域においてもパワフルに機能するんですよ。おそらく田中さんのメソッドの中にそういうものを織り交ぜたりすると、ターゲットオーディエンスをどう見立てて、そこに対してどういう言葉がけをするか、といった局面でひとつの拠りどころ、判断軸として機能するんじゃないかなと。それやると相当新しくないですか?
田中 すごいですねそれ。新しいですね。
花崎 例えば毎月のグループコンサルの間で課題なんかを持ち寄って、そういう手法を試してみるっていうのもおもしろいかなという気がしてるんです。
田中 そこは権威ですからやった方がいいですよ。おもしろいでしょうね。
花崎 ウチならではの色も絡めつつ、田中メソッドを浸透してもらうみたいな流れにしていくというのもおもしろいのかなと。
田中 僕自身興味あります。
この手のメソッドに関する情報は多すぎるんで、それこそ信頼している人からもらわないとね。いや楽しみですねすごく。おもしろいですね。
花崎 田中さんも心理学的なアプローチって結構お好きだということだから、多分刺さると思うんですよね。
田中 ものすごく聞きたいですね。
そこにちゃんと根拠のあるロジックがあるのがポイントですね。
花崎 そうですよね。ウチも本当に今危機感を持っているのは、今まで広告、まあ我々もそうですけど、今まで通りの広告をやり続けていたところに対する責任っていうのはやっぱり私達にもあると思っていて。やっぱりもっと成果にフォーカスしていかなきゃいけないなという意識は人一倍持っているつもりです。そういう意味じゃあ今後、田中先生とのコラボ楽しみでしかたないですね。
田中 聞けば聞くほど楽しみですね。自分自身が成長できそうです。