あなたの会社はどっちのタイプ? コンテンツマーケティング戦略立案まえに知っておきたいこと
著者
花崎 章株式会社大和広告代表取締役
広島県生まれ。中央大学商学部卒。大学卒業後、広告会社営業、メーカー広告宣伝担当を経て、2002年から株式会社大和広告 代表取締役。 社長業を務めるかたわら2007年に社会人大学院デジタルハリウッド大学院に入学。主にデジタルテクノロジーとマーケティングに関する研究に参画し、オフラインマーケティングの経験と新たに獲得したオンラインマーケティングの知見と人脈を生かした幅広い活動を展開している。 その他コーチング、アクションラーニング、NLPなど、個人と組織内の効果的なコミュニケーションや学習に関する研究も行い、コラボレーションツールを活用した自社ビジネスへの応用を実践中。 また2009年「マーケティング力アップから地域活性化を目指そう」という目的でイマジナクトラボを企業内に立ち上げ、これからのマーケティングを地域に啓蒙する教育事業を実践している。
企業の個性と戦略にどんな関係があるのか?
コンテンツマーケティングを企業内で推進していくためのプロセスは、その道のエキスパートからな様々なカタチで発表されていますよね。そしてそのほとんどで最初のステップに上げられているのが「戦略の立案」です。
これまでマーケティング支援側の立場にいたおかげで、私は多様な業種業態、企業の戦略への関わりかたに接することができました。その結果、戦略立案から遂行にかけて、その企業が持つ「個性」がとても大きく影を落とすケースがとても多いことに気がつきました。まるで人間みたい。「法人」といわれるのもうなずけます。
あたりまえですけど、人間一人ひとりがそうであるように、会社はこれまで積み重ねてきた歴史も成功体験も、いま持っているフィロソフィーや強みも、将来のビジョンもそれぞれ違いますよね。そして企業や組織の思考や行動は、そこに働く人たちの思考や行動の総体です。そしてそれらが戦略への取り組みに少なからず影響を与えるとすれば、あらかじめ企業がもつ「個性」みたいなもんを把握しておくことは戦略を成功させるうえでとっても大切なんじゃあないかと思うんですよね。
そこで今回は思いきってLABプロファイル® という人間の特徴をその人が使うコトバでタイプ分けするスキルをベースにして私が企業の個性を超シンプルに分類してみました。じつはこのスキルの認定コンサルタント&トレーナーなんですよ。 ※ここではあくまでもLABプロファイル®をベースにオリジナルかつ単純化したものです。LABプロファイル®そのものに関する詳しい情報はコチラをご覧くださいね。
企業にありがちな2つの典型的なタイプ
バクッといえば企業には2つのタイプがあるように思います。
① 即行動型
いいと思ったら目指すゴールに一直線。すぐ実行に移ります。多少の障害があっても気にせず、まずはやっちゃう感じ。カリスマリーダーが君臨してる会社なんかはコチラ寄りでしょうか。
②熟慮型
リスクに注目しがち。こうなったらああなる、ああなったらこうなる、と問題点を洗い出すのが大得意。じっくり時間をかけて慎重に検討を重ねます。過去の成功体験があり、いますぐ食い扶持に困らない安定企業やリスクテイクに慎重な大企業などはコチラ寄りになりがちでしょうか。
ここで一点、①の割合が過剰だと「猪突猛進型」、②の割合が過剰だと「熟慮過剰型」となってしまいますのでご注意を。
「猪突猛進型」の場合、リーダーの脳内で戦略との整合性がキチンととれているとスピード感がありパワフルですが、もしそうじゃなければ深い思慮や戦略性が不足してくるかもしれません。ちょっと危なっかしい面もあるかなと。
一方で「熟慮過剰型」なら、戦略づくりに時間をかけすぎたり、それ自体が目的になってしまって実践につながりにくいかもしれません。
状況に応じて2つのタイプを意図的に使いこなす
これは単純に「①か②か?」といったものではなく、2つの要素をそれぞれどれ位の割合でもっているか、と考えたほうが現実的でしょうし、同じ会社でもコンテクストによって配合バランスがダイナミックに変わってくると思います。
また2つのタイプを別の視点からみると、即行動型は相対的に自らの意志、想いをより大切にし、熟慮型はロジックをより大切にしているといえるかもしれませんね。戦略づくりには、想いもロジックも両方必要。そして、取り扱う対象に応じて、意図的にそれらの配合バランスを適切に変えていく必要があると思います。
これを最適化するためにはまず「自社の個性を把握しておく」ことから。自社の意思決定のクセを理解しておけば、戦略づくりにおいて自社が陥りやすいトラップをあらかじめ想定できるし、気をつけるべきポイントを洗い出して、チームで共有できるんじゃないかと思いますよ。