ストーリーの要素からコンテンツマーケティング戦略を超シンプルに考えてみた。
2013.11.18
- 著者
- 花崎 章
- タグ
- コンテンツマーケティング, ストーリー, 戦略
著者
花崎 章株式会社大和広告代表取締役
広島県生まれ。中央大学商学部卒。大学卒業後、広告会社営業、メーカー広告宣伝担当を経て、2002年から株式会社大和広告 代表取締役。 社長業を務めるかたわら2007年に社会人大学院デジタルハリウッド大学院に入学。主にデジタルテクノロジーとマーケティングに関する研究に参画し、オフラインマーケティングの経験と新たに獲得したオンラインマーケティングの知見と人脈を生かした幅広い活動を展開している。 その他コーチング、アクションラーニング、NLPなど、個人と組織内の効果的なコミュニケーションや学習に関する研究も行い、コラボレーションツールを活用した自社ビジネスへの応用を実践中。 また2009年「マーケティング力アップから地域活性化を目指そう」という目的でイマジナクトラボを企業内に立ち上げ、これからのマーケティングを地域に啓蒙する教育事業を実践している。
「コンテンツマーケティングは戦略づくりから」とはいうものの…
すこし前「企業にも個人とおなじように考え方や行動のクセがある」といった内容のブログ記事の中でLAB Profile®の理論をベースに「即行動型」と「熟慮型」という組織のタイプ分けをご紹介しました。
そして、このクセがコンテンツマーケティング実践にのっけから影を落とすことも少なからずあるんじゃないか。そう思うんです。
即行動型の組織は「とにかくやっちゃおうぜ」というスピード感がとってもステキなんですが、戦略立案を軽視しがち。
一方で熟慮型の組織は戦略を重視しすぎて、とかくその立案に時間をかけ過ぎちゃう。結果、実践の進捗が遅れがち。
そこで、両方のタイプにとって有益な「とりあえずこれらの視点をモレなく押さえておけばオッケーかつ全体を俯瞰できる」そんなシンプルな戦略づくりをサポートするフレームワークを考えてみました。
戦略についてバクッとおさらい
MBA経営戦略(グロービス・マネジメント・インスティテュート編/ダイヤモンド社)によると、「戦略(ストラテジー)=経営理念に基づきビジョンを実現するための道筋/手段。」とありますねえ。
なるほど。理念、ビジョンとの関係性から考えるといいんですね。そこで、関係性を超シンプルな図にまとめるとこんな感じかな。
戦略づくりのプロセスを上の図にプロットしてみた
「で、戦略づくりはどんな感じで進めりゃいいの?」
いまにもこんな声が飛んできそう。
そして、上の問いへの私なりの答えがコレ。じゃーん。
横軸=時間軸、縦軸=判断軸をあらわしています。
考えることはつぎの5つ。
① 自分自身(自社)
② 相手(顧客/オーディエンス)
③ 競合
④ 自分自身(自社)と相手(顧客/オーディエンス)の関係
⑤ 競合と顧客の関係
ここでは自社と顧客と競合という3種類のプレーヤーが登場します。3Cとか言われるアレですね。これらについて「現在」と「未来」、2つの時制から考えます。
そして、これら5つのポイントを考えるときに意志とロジック、2つの思考モードを切り替えちゃいます。
「いま」を考える
①〜⑤、つまり現在の自社、顧客、競合とそれぞれの関係すべてをロジックモードで考えます。
事実だけを積み重ねてこれらをあきらかに。
「未来」をロジックモードで考える
②③⑤つまり未来の顧客、競合、そして顧客と競合の関係をロジックモードで考えます。
「未来」を意志モードで考える
①④つまり未来の自社、顧客、そして自社と顧客の関係を意志モードで考えます。
戦略づくりはストーリーづくり
戦略づくりって、意志(≒感情)とロジックという対極の思考モードをダイナミックに使い分けて現在から未来に向かう道筋を描くことだと私は思います。そして未来への道筋をデザインする戦略づくりは、まさにストーリーづくりそのものであると。
コンテンツマーケティングにおいても基本はおなじ。おもにネット上での情報流通によってブランドとオーディエンスとの間に良好な関係を築いていく、そのコンテクストに限定して考えるということになるんでしょうね。
過去と他人は変えることはできない。でも未来と自分は変えることができる。そんなコトバを思い出しました。
でもあくまでも主役はオーディエンス(顧客)。かれらのブランド体験ストーリーに自社がどう関わり、よりよい関係を育むことにつなげられるか。
コンテンツマーケティングの戦略づくりって、まさにそんなことをデザインしていくんことなんでしょうね。