SES LONDON 2014 に参加して得た意外なメリットとは?
著者
花崎 章株式会社大和広告代表取締役
広島県生まれ。中央大学商学部卒。大学卒業後、広告会社営業、メーカー広告宣伝担当を経て、2002年から株式会社大和広告 代表取締役。 社長業を務めるかたわら2007年に社会人大学院デジタルハリウッド大学院に入学。主にデジタルテクノロジーとマーケティングに関する研究に参画し、オフラインマーケティングの経験と新たに獲得したオンラインマーケティングの知見と人脈を生かした幅広い活動を展開している。 その他コーチング、アクションラーニング、NLPなど、個人と組織内の効果的なコミュニケーションや学習に関する研究も行い、コラボレーションツールを活用した自社ビジネスへの応用を実践中。 また2009年「マーケティング力アップから地域活性化を目指そう」という目的でイマジナクトラボを企業内に立ち上げ、これからのマーケティングを地域に啓蒙する教育事業を実践している。
2014年2月10日から4日間にわたって開催されたSES LONDON 2014に参加してきました。
このカンファレンスは、Search Engine Strategiesという名称で開催されていましたが、時代とともにソーシャルメディアなどカバーする領域が広がったことから、略称のSESが正式にイベントロゴなどに使われるようになり、今後はClickZ Liveという名称に変更されるようです。
今回のアジェンダをみてみると、より統合的なアプローチやコンテンツマーケティング関連など、本質的なオンラインマーケティングの進化を捉えたランナップになってます。名称変更はそうしたイベント自体の進化を象徴的に表しているようです。
今回の会場は市街地ど真ん中、Queen Elizabeth Ⅱ Conference Centre。
なぜロンドンへ?
私もこれまではおもにアメリカを中心にいくつかのカンファレンスに参加してきました。
オンラインマーケティングの潮流は北米発のケースが多いのでそうなりますよね。
それでは今回どうしてロンドン行きを決めたのか?
UKはエージェンシーの存在感が大きいといった日本に近い側面がある一方で、全体の広告費に占めるデジタルの比率が非常に高いという特徴があります。GroupMの調査によると(記事はthe Guardianより)、広告支出全体のじつに半分近くがネット関連なんですね。しかも今後ますますその比率か高まるという見通しのご様子。
そんな日本と類似点がある環境のなかで先行してデジタルシフトが進むUKの現状を知っておきたかったんです。将来に備える意味でも。
規模感がイイ!
会場に入ってみての第一印象。「あれ、意外にこぢんまり…」
なにせ広告費の半分近くをオンラインを占めるお土地柄。近隣のヨーロッパ諸国からもアクセスしやすいだけに、もっと大規模なのを勝手に想像してました。
ところが!この規模感が実にいいんです。
スピーカーとの距離感が近い
そうなんです。UKはもとより、北米などグローバルに活躍する重要人物と驚くほどアクセスしやすいんです。
「ごった返さない参加者数+開催期間長め=登壇者・参加者とのコネクションをじっくりつくりやすい」という感じ。
たとえば今回こんなケースが・・・
写真は、コンテンツマーケティング界の重要人物Lee Odden氏。彼は長年TopRank Online Marketing を率い、運営するTopRank Blog はCMIが発表するTop42 Content Marketing Blogsで唯一過去3度もナンバー1に輝いたことのあるビッグネーム。
Lee Odden氏と私。これまでもより大規模なカンファレンスで同じ会場にいたことはあると思うんです。でも、このクラスの方々はなかなかじっくり話す機会に恵まれませんでした。今回のSESではこうした対話の機会を得ることができたことも大きいメリットでしたね。
アメリカのエキスパートとの人脈づくりはアメリカ国外で
この経験からもう一つの仮説が浮かんできました。
それは「相手のお膝元では仲良くなれない法則」です。
これは私の持論「ある領域で有名な日本人との人脈づくりは海外で」というのと基本的に同じ考え方です。
私の場合、どういうわけか海外では何人かの日本人と大切なご縁をいただくことができるんですよね。そしていまでもそのご縁の多くはつづいています。なぜなんでしょうね? 同じ海外だと日本人としての親近感が醸成されやすいからでしょうか?
それもあるかもしれませんが、地元には知り合いの参加者がたくさんいて、結果的に新しい人と話す機会や時間も限られるということもあるじゃないかと思うんです。
それと同じで、今回の経験から「アメリカのビッグネームとの人脈形成は海外のカンファレンスで」というのはアリなんじゃないかと思いました。比較的アットホームな規模でなおかつ繋がりたい人がスピーカーとして参加予定なのであれば、対話や人脈づくりのチャンスが増えるかもしれませんよ。